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―――――――鷺の間

絹恵「ふぁ……」

セーラ「お、お目覚めか」

絹恵「あ、おはよーございます」



絹恵「早いですね?」

セーラ「そらお互いさまや」

絹恵「あは……やっぱり、気持ちのどこかでは試合を楽しみにしてるんやろか」

セーラ「そうかもな」

絹恵(本当は、ちょっと違うんやけどね)

穏乃「Zzz……」

セーラ「しっかしコイツ、寝相悪いなー」

絹恵「ええ」

セーラ「半分くらいお前の布団に侵略してきてるやん」

絹恵(あなたも昨晩すごかったですけどね……そのせいで……)

絹恵「まあ、おねーちゃんで慣れてますんで」

セーラ「え、何?一緒に寝んの?」

絹恵「居間で一緒に映画見てるときとか、たまにそんまま……」

セーラ「ふーん……」

セーラ「しっかしよぉ寝てんなあコイツ」ペチコン

穏乃「んー?もう朝ー?」ムク

セーラ「勝負の前に温泉で禊やでー」

セーラ「せーこちゃんも起きてやー」ユッサユッサ

誠子「ねむ……まだ試合には早くないですか?」

セーラ「やから温泉いくでー!」

誠子「は、はい」

誠子(朝風呂ってあんまり好きじゃないんだよな……)



―――――――旅館内大浴場


セーラ「ついたでー」

誠子「まぁ、敷地内だからすぐですけどね」

穏乃「これって、本物の温泉かな?」

絹恵「普通に都内のど真ん中やし、ただのお湯なんやない?」

セーラ「うわー!でっけー!」

誠子「別に普通じゃないですか?」

セーラ「何言うてるんや、アレやアレ」

誠子「…………?」

絹恵「誰も居らんみたいや、貸切やね」ドーン

誠子(た、確かに)

セーラ「このチーム唯一の裏切り者やな」ペターン

穏乃「早くいきましょうよ!」ツルーン

誠子(………)ストーン

誠子(まぁ、別に……そういうところで勝負するわけじゃないし)


霞「あらあら、先客ね」

由暉子「………」

漫「あ、おはよう絹ちゃん」

絹恵「漫ちゃんもおはよう」

尭深「……おはよう、誠子ちゃん」

誠子「うん、珍しいね?」

尭深「そう?」

誠子「尭深って、低血圧じゃなかったっけ。朝早くにしっかりしてるのって珍しいなって」

尭深「お風呂は低血圧に効くから」

誠子「ふーん……」


セーラ「お、おい……」

誠子「何ですか?」

セーラ「アイツら全員、やばないか?」

誠子「やばいって何が……」



由暉子「んっ」ドン!

尭深「ふぅ」ドン!!

漫「……」ドン!!!

霞「よいしょっと」ドタプーン


誠子(すごい)

セーラ「お、お、お、お前ら……」

セーラ「お前らなんか敵やー!」ダッ


穏乃「えぐっちゃん先輩どうしたんだろ……」

由暉子「何を当たり前のことを言ってるんでしょうか」

絹恵「なんでうちまで指差されてたん?」

漫「あ、あははははは……」

漫(うちらがチチでかいからや)




―――――――霧の間

憩「エイスリンちゃん、髪キレイやな―」

エイスリン「ソウ?」

憩「うんうん、やっぱ金髪はええわー」

憩「ほい、編み込み完成ですよーぅ」

玄「わ!すっごく可愛い!」

憩「ぐっふっふ……ホントはもーっと長かったら、シニヨンにして鎧着せて……」

エイスリン「ケイ、コワイ!」

憩「和ちゃんもやってあげよかー?」

和「いえ、良いですよ私はこのままで。それよりそろそろ朝食に向かわないと」

憩「あちゃー、もうそんな時間なんかー」

玄「9時半に始まるんだっけ?」

和「そのはずです」



―――――――大広間

憧「お、和も玄もおっそいぞー」

淡「わらひひゃひはもうたべひゃったもんへー」モグモグ

憧「食べながらしゃべらない!」ベシ

淡「きゅっ!」

エイスリン「トヨネ、オイシカッタ?」

豊音「うん、とってもおいしかったよー」

姫子「一年ふたりなんか、2杯ずつおかわりしよったもんな」

淡「げっほごっほ!」

憧「し、しかたないでしょ!昨日は食事抜きだったんだから……」

淡「へ、変なところに入った~」

憧「アホね」

淡「はぁ?どうかんがえてもあんたのせいでしょ!」

憧「知りませんー」


憩(チームワークという点では、このチームはてんで駄目みたいやねーぇ)

憩(まぁ、一日でチームワーク抜群にせえっちゅうほうが無理があるけど)

玄「これ、おいしいなぁ。今度、献立に加えてみようかな」

和「そういえば玄さんのお弁当、おいしかったですね……また食べたいです」

憩(それに対しうちは、気立てのいい子が集まっとるし、うち三人がもとから交流あるってのも大きい)

憩(さてさてこっちは……)


竜華「なあなあ、弘世さんは目玉焼きにおしょーゆ?ソース?」

菫「目玉焼きなんか出てないだろ……」

竜華「出とったらの話やんかー」

菫「……粗塩」

竜華「あー!それ怜とおんなじやー!」

菫「そうか」

竜華「粗塩ってどこがいいん?うちよーわからんわー」

智葉「………」ズズ

哩「……ん」

智葉「何だこれは」

哩「海苔佃煮」

智葉「見りゃわかる」

哩「やる」

智葉「嫌いなのか?」

哩「……ああ」

智葉「ふっ」


憩(いまいち分かりませんよーぅ)

和「憩さん、食べないと冷めますよ?」

憩「ああ、はいはい!いただきますー」



―――――――萩の間



宥「Zzz………」

咲「Zzz………」

小蒔「Zzz……」

白望「Zzz……」


ピピピピピピピピピピ


咲「あふ」


08:43


咲「……………」

咲「みんな!大変だよ!起きて!!」


小蒔「なんですか~?」

宥「おはようぅ」

白望「ねむ……」

咲「ああぁぁぁもう朝ご飯食べてる時間ないよ!急いで着替えて出なきゃ」

白望「もう今日はこのままみんなでダラダラしてよう」

宥「さんせ~」

小蒔「だ、だめですよ!テレビの人に迷惑がかかってしまいます」

白望「仕方ないなァ……」

咲(こ、このチーム大丈夫かな……)




―――――――テレビ局 特設スタジオ

恒子「さあ!始まりました特別企画」

恒子「全6チームが繰り広げる特別麻雀大会はやりんカップだぁあああああああーーーッ!!」

はやり「今回の企画者、はやりんだよ☆」


ウォー セカイイチカワイイヨー


恒子「それではさっそく、参加選手の入場と参りましょう!」


パーパララパパッパパー


恒子「四角い草原でおやすみなさいっ!いえいえホントに寝てはだめですよ?チームお昼寝!」


恒子「……あら?」

恒子「え、まだ来てない?後回し?」

はやり「早めのお昼寝タイムに突入しちゃってるのかな?」

恒子「それ寝坊ですからっ!……気を取り直して、チームエンジェルス!」


和「エンジェルスですか……ちょっと恥ずかしいですね」

エイスリン「ソウ?」


恒子「デカァァァァァいッ 説明不要!平均90オーバー!チーム巨乳!」


霞「そういう集まりだったのね……」

漫「気付くの遅っ!?」


恒子「凛として立つ女の風格!チーム極妻!」


哩「」
菫「」
智葉「」
竜華「」

菫「ご、ごく……つま……?」


恒子「得意なのは麻雀だけじゃない!?チームスポーテ
セーラ「チーム漢気入場やーーー!!!!」

穏乃「うおー!」
絹恵「わー!」

誠子(恥っずい!)

恒子「な、なんとチーム漢気、全員スカートに学ランでの登場です!」

はやり「学ラン、いいよね……ていうか、チーム名そっちに合わせていいの?」

恒子「あっ、たった今チームお昼寝が到着した模様です!どうぞ!」


咲「はぁ……はぁ……」フラフラ

小蒔「こほっ!こほっ!」

宥「くろちゃあぁぁ~ん」ヨタヨタ

白望「ダル………」


はやり「……………☆」

恒子「え、えーと、最後のチームに参りましょうか」

菫(チームお昼寝を最後に回して休ませといてやれよ……)


恒子「キューティー小悪魔見参!チームデビルズ!」

憧「えー、わたし悪魔扱いなのー?」

淡「お似合いだね」ププッ

憧「あんたも一緒のチームでしょうが!」

姫子「わたしら、完全にデビルまつ毛のせいで呼ばれたとですかね」

豊音「ちょー意味わかんないよー」


哩「あれで姫子は、意外と小悪魔な所もあるとよ?」ウンウン

竜華「いや、知らんし」



恒子「さあ、これで全選手がそろいました!」

はやり「はーい!ここからはルール説明行くよー!」

はやり「10万点持ち、4人の点数引継ぎルールでーす!細かいところはあっちのパネルを見てね☆」


オーダー:フリーオーダー制
クイタン:有
後 付 け:有
 一発 :有
二 家 和:無
途中流局:九種九牌、三家和、四槓算了、四風連打、四家立直
 ドラ :通常+赤3枚、カンドラ/カン裏有
 パオ :大三元、大四喜のみ
和了止め:有
 連荘 :テンパイ連荘
 人和 :満貫
W 役 満:無
箱下続行:無


霞「特別、変わったルールは無いわね」

玄「インハイと違うのは、フリーオーダー制と赤ドラの数くらいだね」

はやり「6チームそれぞれ2回ずつ、4人が半荘1回を戦ってもらいます☆」

はやり「で、収支結果下位2位が脱落で、決勝戦ね☆」

淡「よくわかんなーい」

はやり「とりあえず、試合の組合せ決めちゃうね☆」

恒子「さあ!パネルにコンピューターが選出した組合せが発表されます!」


第一試合
スポーティvs巨乳vsお昼寝vs極妻
第二試合
エンジェルvsデビルvsお昼寝vs巨乳
第三試合
デビルvs極妻vsエンジェルvsスポーティ


哩「ああ、これで2試合の収支合計で競う訳か」

はやり「そのとーり☆」

誠子「5つの敵チームのうち、1つとは2回戦うことになるんですね」

はやり「組合せの都合上、しょうがないね☆」

淡「ふーん、要は全員ぶっ飛ばせばいいわけでしょ?」

はやり「おおっ、いいねそのガッツ!」

はやり「じゃあもう一つの追加ルールを説明するね☆」


はやり「毎半荘、先ほどのルールにプラスして特殊ルールが設けられます」

穏乃「特殊ルール?」

はやり「そう!何が出るかは、毎半荘お楽しみ☆」

憩「追加ルールを見てからオーダー選出してええの?」

はやり「そうだよー!だから、得意なルールと、相手チームの残りの選手を考えながら決めて欲しいなっ」

小蒔「次鋒・副将が戦略の最も出るところですね……」

哩「テレビの企画だから許されそうなルールやね」

竜華「これ、追加ルールによってはかなり不公平やで」

豊音「もう、楽しむことに集中したらいいんじゃないかなー」


はやり「じゃあ、第一試合先鋒の追加ルールを決めちゃいまーす!こーこちゃん、お願い☆」

恒子「ルーレット、スタートっ!」


バン


【花牌4枚投入】

・抜きドラ扱い
・花牌は打牌禁止
・4枚を一人が全部抜いてもボーナスは無し
・嶺上牌を8枚とする


はやり「いきなり結構な大物が来たね」

穏乃「はなはい……?」

はやり「チームに大阪の子が居たら、抜きドラの説明を受けておくといいよ☆」

セーラ「適当な解説やなぁ」

智葉「ちょっと待て」

はやり「はい?」

智葉「抜きドラ嶺上開花は採用しているのか?」

はやり「抜きドラ嶺上開花は無しです!あと、2回目以降のカンドラは増えません☆」

智葉「そうか……」

はやり「細かいルールは、控室に冊子が置いてあるからそっちを参考にしてね☆」

穏乃「はーい!」

はやり「それでは、控室に移動後、第一試合のチームは先鋒を選出してね☆」





菫「で、どうする」

竜華「ジャンケンでええんちゃう?」

智葉「お前、抜きドラありのルールには慣れてるんじゃないか」

竜華「えー、別にあんまりサンマしたことないんやけど……」

哩「まぁ、花牌と名前の華の字がかぶっとるし、清水谷でいいやろ」

竜華「どんな理由それ!?……はぁい、いってきますー」



小蒔「嶺上牌が多いということは、ここは咲ちゃんの出番ではないでしょうか!」

咲「え、そうかな……?」

白望「特に異議なし……」

宥「がんばってー」

咲「……わかりました、行ってきます!」



穏乃「あのー、花牌って結局なんなんですか?」

セーラ「んー、なんて言ったらいいかなー」

セーラ「ドラ1で、なおかつ追加ドローできる牌やな」

穏乃「へー」

セーラ「でもまあ、やっぱこのルールに慣れてる奴がええよなぁ」

絹恵「そんならうち、ちょっといってきますわ」

セーラ「お、えらいやる気やな」

絹恵「そんなんやないですけど」



漫「たぶんお昼寝以外は大阪勢で来ると思うんで、うちもここで行っときますわ」

由暉子「応援してます」

尭深「あの、お茶持って行ってください……」

漫「あ、こらどうも」

霞「ただでさえ打点が高くなりそうなのに、わたしが行ったら大変なことになりそうね」



東家:漫
南家:咲
西家:竜華
北家:絹恵


漫「おっ、やっぱり大阪勢いっぱいやね」

竜華「楽しくやろなー」

絹恵「漫ちゃん、今日は大人しくしといてや?」

咲「よろしくお願いします」

咲(うぅ……わたし以外みんな胸おっきいよ……)



玄「ふぅむ、なるほどなるほど~」

玄「しょっぱなからなかなか見ごたえある試合なのです!」

和「どこ見て言ってますか……」


はやり「さぁ!はやりんカップ第一試合先鋒戦、いよいよスタートだよ☆」




やくそくーのばーしょーへーおーばーふゅーちゃー!
なんかもうシリーズ化してガチでやることにした。