霞「……で、3人とも、呼ばれた理由は分かっていますね?」

小蒔「はい……」

初美「ですよー」

春「存じ上げぬ」

霞「……」イラッ



霞「このテストの成績。身に覚えがないとは言わせないわよ?」

小蒔「そ、その日はちょっと眠くて……」
初美「いつものことですー」
春「気のせい」

霞「……」イライラッ

霞「と、いうわけで来週私が独自に小テストをします。それが終わるまでおやつを減らします」

霞「もちろん、及第点に満たなければそのまま継続」

小蒔「そ、そんな……」

初美「死んでしまいますー」


春「霞さんの鬼……」ポリポリ

霞「」ブチッ



初美「困ったことになりましたよー」

小蒔「死活問題です……」

春「いたひ……」ヒリヒリ


初美「さて、どうしましょうか」

春「何を」

初美「おやつの確保に決まってますよー」

小蒔「食料の確保はどんな時でも最優先事項ですからね」

初美「そういうことです、今ならまだ霞ちゃんの厳戒令は敷かれていないはず」

小蒔「まずは巴さんのところですね」




初美「巴ちゃん、おやつを出してほしいのですよー」

巴「え、もう?早くない?」

初美「そんなことないですよー、あと30分で3時じゃないですか」

巴「うーん、これからちょっと姫様のところに呼ばれてるんだけど……」

巴「しょうがない、戸棚のカギを渡すから自分で出してきて」チャラ

初美「わかりましたー」

初美(くくく、大成功ですよー!)ニヤリ


初美「はるる、戸棚のカギを入手しました!カゴを持って来てください!」

春「まかせて……」


初美「えーっと、これとこれと……」ガサゴソ

春「これ確か姫様が好きだった……」ポイ

初美「ちょっとはるる、黒糖の比率を減らしてくださいー、カゴにも限界があるんですから」

春「ノーウェイ……」


初美「んぐ、お、も、い」

春「乗せすぎた……」

初美「もー!やっぱりもうちょっと減らしましょう!黒糖半分ぐらい置いていきましょう」

霞「せっかくだから、カゴごと全部置いていきなさいな」

初美「なにバカ言ってるですかー!?せっかくのチャンスなんですよー!?」

初美「……………って」


霞「…………」

初美「あ」



初美「まっっっったく、ひどい目にあいましたー!」

春「お気の毒……」ポリポリ

初美(自分だけ一袋確保してるし……)


小蒔「どうでしたか?」

初美「大失敗ですよー」

小蒔「そうですか……」

初美「とりあえず、取ろうとしたものは回収されて、今日の分のおやつを貰ってきましたー」

小蒔「わぁ!何ですか?」

初美「どうぞー」

小蒔(ふかしたサツマイモ……)

小蒔「あ、おいしいです」モグモグ

初美「それはよかったですー」

初美「今度こそ、もっといい作戦を考えましょうー!」モグモグ

春「おー……」モグモグ


小蒔「……もう無くなってしまいましたね」

初美「やっぱり全然足りませんよー」





―――――――次の日


初美「あー、糖分不足で目が回りますー」


初美「……おろ?」


良子「……」キョロキョロ


サッ


良子「……」キョロキョロ


サササッ


初美「良子さん、来てたんですねー」

初美(でも、なんかめちゃくちゃ怪しいですー)

初美(ちょっと後をつけてみるですよー)


春「Zzz……」

初美「ちょっと、はるる、はるる」

春「なに……」

初美「良子さんが来てます、ちょっと追いかけますよー」

春「普通に声かければいい……」

初美「だめだめです、わたしの予感では良いものが手に入る気がしますよー」

春「ふーん」




初美「ここは良子さんが帰ってきたときに使ってる離れですねー」

春「何か音がする……」

初美「ちょっと覗いてみますよー」

春「あれ?誰もいない」


ヒタッ

初美「ひっ」

良子「み~た~な~」ガバッ

初美「ぎゃあああああああああぁー!!?」

春「良子つかまえた」



春「で、何してたの」

良子「うぅう……」スッ

初美「何ですかこれ……壺一杯の水飴ですよー」

良子「水飴、好きなんだ……」

初美「こんなもの買うためにわざわざこっち来たんですかー!?」

良子「こっちで売ってるのが一番おいしいんです!」

初美「やれやれ……滝見の家系はバカばっかですよー」

良子「ちなみにお母さんは蜂蜜が好き」

初美「どうでもいいですー」


初美「たまには水飴もいいもんですねー」

小蒔「練るの楽しいです!」

良子「ジーザス……」

春「元気出して良子……」




―――――――次の日


初美「さて、滝見の砂糖狂い達は意外にもわたしに素晴らしい着想をもたらしてくれましたー」

春「ひどい言いぐさ……」

初美「はるるはカルメ焼きって知ってますー?」

春「知らない……」

初美「わたしもテレビで見ただけなのですが、なんでもお手軽に作れる砂糖菓子らしいのです」

初美「戸棚は厳重に管理されることになってしまいましたがお台所は普通に使えるはずですー」

春「ふーん」

初美「じゃあ、さっそく作りますよー!」

春「出来たら呼んで……」

初美「もー!何言ってるんですかー!はるるもやるんですよー」

春「えー」



―――――――台所

初美「さて、まずはおたまに砂糖と水を入れて加熱します」

春「ふんふむ」

初美「十分加熱したらそこに重曹を投入ー!」

春「えい」ザー

初美「手早くかきまぜたら濡れタオルで冷やしますー」


初美「ふぅ、とりあえず2個できましたねー」

初美「はるる、食べてみてください」

春「……毒見?」

初美「うっ」

初美「そ、そんなわけないじゃないですか!美味しいに決まってますよー」


初美「…………」

初美「……」ボリボリ

初美「にがっ!」


春「火にかける時間が長すぎ」

初美「分かってたなら言ってくださいよー」

春「これも食べる……」

初美「あ、はるるのは割とおいしそうですねー」ポリポリ

初美「にがっ!何ですかこの味!」

春「ちょっと重曹多かったかも……」


初美「こんなんじゃ全然ダメです!美味しいのができるまでやりますよー!」

春(めんどくさい)




初美「おぇ……砂糖の食べ過ぎで気持ち悪いです……」

春「まぁまぁイケるくらいにはなった」ポリポリ

初美「せっかく美味しくできましたけど、わたしはもういいですー」

春「じゃあ全部姫様にあげる……」

初美「そうしましょうか」


小蒔「わぁ、二人でお菓子を作ったんですね」

初美「あれ?姫様は何してるですー?」

小蒔「お勉強ですよ」

初美「まったく、ご苦労なことですねー」

小蒔「……はっちゃんは大丈夫なのですか?」

初美「何言ってるですかー、問題ないに決まってますー」

小蒔「それならいいのですけど……」

初美「さて、明日のおやつ入手作戦を考えるですー!!」

小蒔(本当に大丈夫でしょうか?)



―――――――次の日


初美「さて、欲しいものを手に入れるための方法と言えば、労働です!」

初美「我ながらずいぶん健気な案を思いついたものですー」


初美「さっそく霞ちゃんのところに行きますよー!」トテテテ



ガラッ

霞「あら初美ちゃん、どうしたの?」

初美「霞ちゃん霞ちゃん、お疲れではないですか?」

霞「え?ま、まぁちょっと肩がこってるけど」

初美「ぐっふっふー、そうでしょうそうでしょう、ですからマッサージしてあげます」

霞「あ、そうかしら?じゃあお願いするわね」

初美「まっかせてくださいー!」



初美『ほ~れ、ここがええのんか~?ですよー!』モミモミ

霞『きゃあ!ちょっと、強すぎ……んうっ』

初美『ほれほれー、もっと行きますよー!』

霞『ちょ、ちょっとどこ触ってるの!』

初美『よいではないか、よいではないか、ですー』



初美(というのを想像していたんですが……)

初美「むぎぎぎぎぎぎぎぎ!」ギューッ

霞「うーん、いい感じではあるんだけど……初美ちゃん、もうちょっと強くならないかしら」

初美「お、お任せあれですー!!」

初美「ふんぎぎぎぎぎぎぎ!」

初美(こ、この肩!さすがあのボウリング玉×2を支えてるだけのことはありますよー!)

霞「あ、そんな感じよ……♪」

初美「うがー!!!」



霞「ありがとう、だいぶ楽になったわ」

初美「お、お安い御用ですー」

初美(手が痛いですよー)


初美「そ、それで、霞ちゃん……」

霞「んー?」

初美「あの、見返りというか、ご褒美というか……何か忘れてないですー?」

霞「ああ、そうね」

霞(といっても袴のポケットには何もないし)

霞(困ったわね)

初美「……」ワクワク

霞(うーん……)


霞「とーう」ガバッ

初美「んわー!!」

霞「えいえい」ギューッ

初美「もががが……苦しいですー!」

霞「あら、ごめんなさいね」パッ


初美「で?」

霞「今のじゃダメ、かしら?」

初美「……まぁ、ダメじゃない、ですよー」

霞「よかったわ」

初美「じゃあ、また肩がこった時は呼んでください」

霞「はい、ありがとうね」




初美「嬉しいですけど、嬉しいですけどー」


初美「なーんかゴマかされたような気がするですー」




―――――――次の日


初美「はー、結局昨日は何の収穫もありませんでしたー」

初美「こうなったらもっとプライドを捨ててダーティな方法に走りますー!」

初美「その名もお掃除ついでに小銭拾い大作戦!」

初美「……って、そのまんまですねー」



初美「…………」サッサッ



初美「…………あ、10円見っけ」サッサッ




初美「…………今度は5円」サッサッ



初美「…………また5円」サッサッ




初美「…………むきー!神社だから当たり前ですけど5円の比率がむちゃくちゃ高いですー!」サッサッ

初美「こうなったらもう賽銭箱から失敬して……」サッサッ


巴「聞こえてるよ」

初美「さーてお掃除お掃除ー」

巴「拾ったのも全部賽銭箱に入れてきてね」

初美「…………」

巴「はっちゃん?」


初美「……はーい、ですー」




―――――――数日後


初美「さて、思いつく限りのことは全部やってしまいましたねー」

小蒔「あ、初美ちゃん」

初美「姫様、どうかしましたかー?」

小蒔「何言ってるんですか、これから霞ちゃんの小テストの時間ですよ?」

初美「」


初美「よ、用事を思い出したので失礼しますー!」

小蒔「逃げても意味がないと思いますが……」

初美「くっ」

小蒔「逃げてもどうせおやつはもらえないのですから、まだテストの成績がいいほうに望みをかけたほうが……」

小蒔「すべてを諦めましょう。そして、ともに戦いましょう」

初美「姫様がそこまで言うのですから……腹くくったですよー」

小蒔「ええ、一緒に頑張りましょう!」



初美「たのもー、ですよー!」ガラッ

霞「あら、ちゃんと来たのね」

初美「当たり前です!」

霞「じゃあテストを始めましょうか」

春「…………」

初美「どんとこいですよー!!」





霞「はい、じゃあ巴ちゃんの採点が終わったようなので結果を返します」

霞「まずは小蒔ちゃん、42点。ギリギリね」

小蒔「わぁっ、やりましたー!!」パアッ

初美「おめでとうですー!」

霞「つづいては春ちゃん、56点」

春「…………」グッ

小蒔「おめでとうございます!」

霞「そして最後にハッちゃん……」

初美「……」ドキドキ


霞「17点、赤点どころか青点ね」

初美「」


初美「」


初美「って、おかしいですよー!わたしはともかく、なんではるるが56点もあるんですかー!?」

春「姫様と一緒に勉強してたから」

初美「なっ、妙に付き合い悪いと思ったら……この裏切り者、ですよー!」

初美「わたしなんて勉強する間も惜しんでカルメ焼き作ったり小銭稼ぎに精を出していたというのにー!」

霞「あらあら、テストするって予告しておいたにもかかわらず遊んでたのかしら?」

初美「……」ギク

霞「これはおやつ抜き程度じゃ済まされないわね……」

初美「ひっ」

霞「あらあらさっさといらっしゃいなホラァ!」


初美「はるるのバカー!ですよー!」ズルズル

春「自業自得……」ポリポリ

小蒔「1週間ぶりのちゃんとしたおやつ、美味しいです……!」


初美「こんなの絶対許されませんよー!はるる、覚えてやがれですー!」



ピシャン


春「もう忘れた……」ポリポリ





カン!



全国編のはるるかわいすぎ問題